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【韓国ビジネスの現地取材】江南 Cafe DERBY

日本と海外の違いを知ることから、得られることは多い。
韓国に行くにあたり、「普通の旅行では知ることのできない日本との違い」をどのように発見できるだろうか、持ち帰れるだろうかと考えた。
そして出した答えは、韓国のビジネスパーソンとの対談。
XANY.メンバーへ相談しつつ、MAMIさんの力を得て、韓国でビジネスを自らビジネスを展開している方との対談をセッティングしてもらった。

DERBY
Men’s Classic Cafe
101호48−22 Gangnam-daero 95-gil, Seocho-gu, Seoul, 大韓民国

Cafe DERBYは、日本でいうところのリユースとカフェをミックスさせた事業を展開している。
クラシカルで上品な時が流れる、ホテルのロビーのような佇まい。
一歩足を踏み入れると、背筋が伸びるような素敵なお店だ。

特に、一面に並べられた革靴のディスプレイは圧巻である。


ビジネスモデルとして面白いと感じたのが、リユース事業において、商品を買取ではなく、委託形式で展開していること。つまり、陳列された商品には、それぞれに持ち主がいる。
お客様が持つ個性やスタイルが和じわりながら、店舗の雰囲気を構成しているようだった。

また、ここにカフェがあることで、商品を持って来られるお客様とのコミュニケーションも尊重されている様を見て、三方よしというか、とても良いムードが流れる構造だなと感じた。



オーナーのボナさん。
従業員であり、MAMIさんの友人でもあるチョンさん。
MAMIさんと、僕。
ここからは、個人的に気になっている観点も含めて、対談した内容を綴っていく。
(チョンさんに通訳と補足説明をお願いし、ボナさんへ質問する流れで対談をしました)


Q. MAMI
お店を初めた経緯はなんですか?
A. ボナさん
会社に勤めていたが、事業をしてみたいと思っていた。
もともとホテルとかでも働いていて、コーヒーが好きでカフェをやってみたかったり。
旦那さんがクラシカルな服や靴が好きで、アイデアが合わさって、このお店をやることに決まりました。

Q. MAMI
今までどのようなキャリアを歩まれてきたのですか?
A. ボナさん
学生のころの専攻はCAで、航空会社に入社予定だったけれど景気が悪化して内定者全員、内定が取り消しになりました。それから、1年間カナダへ語学留学に行った。そこで好きな仕事、好きな時に働ける仕事をしたいと思った。当時(10数年前)から韓国ではITは発展していて、オンラインでのマーケティングにも関心があり、取り組みたいとも考えていた。
26〜27歳くらいで初めて会社員になったので、初めは色々と大変だったけど必死に働いた。その時に、「こんなにも熱量を持って働けるのであれば自分でも事業をやれるのでは!」と思った。

Q. REN
リユース事業のビジネスモデルの構想はいつ思いついたのですか?
A. ボナさん
開業時点では資金が少なかったので、在庫を仕入れるリスクなどを取らず、委託の形式をとりました。

Q. MAMI
韓国ではリユースや委託販売のようなビジネスは主流なのですか?
A. ボナさん
韓国ではリユースも委託もあまりメジャーではありません。
韓国は競争意識が高く、「他の人よりも良い服を着たい」となるので、中古の服を着るという認識があまり浸透していない。良い服を自分で買って、それをすることに対しての意識が強いと思います。
ただ、若い人を中心に、所有しなくても経験として服や靴を買って、合わなくなって売るなど、合理的にお金を使う考え方も多くなってきた気がします。
例えば、韓国もニンジンマーケットというものが最近出てきました。
(日本で言うところの、ジモティーみたいな個人売買のリユースビジネスらしい)

Q. REN
ビジネスを行うにあたり、マーケティングはどのように捉えていたのですか?
A. ボナさん
私たちは、お金がかかるものは採用せず、SNSやブログを活用しました。
小さなアプリとかに2〜3つほど広告掲載もしていますが、基本的にはSNSやブログ。
韓国ではNAVERブログの力が本当にすごくて、とても多くの人が見ています。
他のところは、マーケティングにお金をかけることが一般的だけど、自分たちはしませんでした。
何より、1番大事なのは、来てくれた人にどう対応するか、どう満足してもらえるか、来た人が友達に紹介してくれるかなどと向き合うことが大事だと思います。


Q. REN
デザインやコンセプト、内外装とかは専門家と一緒に作ったのですか?
また、どのようなことにこだわりましたか?
A. ボナさん
デザインなどそれぞれの専門家と一緒に考えて作りました。
靴をメインとして考えた時に、時代の変化に影響を受けるものではなく、ずっと続く大切なものを作りたいと考えました。古いビンテージより、新しい洗練された、クラシックだけど大衆的なイメージ。
ロゴのDには靴穴と紐を表現したり、人と人を結びつける、もともと使っていた人と、新しく使う人を繋げる、未来を結ぶなどの意味を込めた「リボン」を表現するなどのこだわりがあります。
「RE:BORN EVERYDAY」という言葉には、このような思いが込められています。
ここに来て、自分のファッションに関するスタイルが変わる、人生が変わるような体験。
この場所で、服や靴を買って、合コンに行って、付き合って、結婚して、家族でここに来るとかもあったりします。そういった光景を見ていると、自分がやっていることがとても良いことだと感じ取れる瞬間があり嬉しく思います。

Q. MAMI
久しぶりに韓国に来て、この5〜10年での韓国はすごく変わったと感じました。
このスピード感のある成長にはどういった背景があると思いますか?
A. ボナさん
韓国はトレンド、つまり流行るのも、飽きるのも早いといった傾向があります。
早い時は、ビジネスが3〜6ヶ月で終わって、また次が生まれるようなケースも結構見ます。
とにかく全てが早い。お店が無くなるのも、始めるのも早いです。
その面はビジネスは大変ですが、こういったスピード感が、成長に繋がっていると思います。
このお店も、2ヶ月くらいでオープンさせました。
2週間で契約や企画が決まり、2週間で工事などのスピード感です。

Q. MAMI
日本への観光客も増えているが、日本のことをどのように見ているのですか?
韓国の方は、日本のお店やコンテンツをどうやって探しますか?
A. ボナさん
韓国では流行が早く、職人気質みたいなものがあまりないので、歴を継いで魅力を表現しているものがいいなと感じます。
日本の情報は、やはりNAVERブログで探します。
日本に旅行へ行った人が、NAVERブログで、その様子をアップロードしているので、そこで情報を得ていることが多いと思います。
時間を無駄にすることなく、コスパ良く、満足度高く旅行するために、事前にNAVERで情報を得て、旅行の計画する。ただ、旅行先ではNAVERで検索できないことが多いので、その時はGoogleを使います。

Q. MAMI
韓国では、NAVERが主流とのことですが、Googleなどは使わないのですか?
A. ボナさん
NAVERが根付いていて、Googleなども入れないのだと思います。
Amazonなども同様です。韓国国内で、モールや流通、配送などの仕組みがあり、これらのサービスを利用するのが一般的です。



対談を経て、日本と韓国の違いについて、よりリアルに知ることができました。
特にITの領域において、GoogleやAmazonなどの資本力や高いサービス品質を誇るサービスが入り込めないほど強固なNAVERなどのサービスなどがあるということや、成長の背景にあるトレンド文化に刺激を受けました。聖水をブラブラと歩いていた時のことを思い返しても、右を見ても左を見ても、確かに工事している店舗がとても多かった。「挑戦と失敗を繰り返しながら、成功が生まれる」という本質的なことが、アクティブに続いている光景を目の当たりにしました。

また、競争意識やハングリー精神などのマインドセットは、豊かな世の中においても忘れてはならない大切なこと。早く、強く、多くアクションをしなければと自己内省できたこともとても良かったです。

インバウンドに関しても、各国間の情報収集の違いを理解することが重要で、NAVERに掲載してもらうためには何が必要なのかなどの逆算を行うことで、国内ではあまり浸透していない新たな施策なども生まれる予感。


ご協力いただいたボナさん、チョンさん本当にありがとうございました。
韓国に行った際は、是非 Cafe DERBYへ訪れてみてください!

▶︎Instagram
https://www.instagram.com/derby_shoes/?igshid=MzRlODBiNWFlZA%3D%3D
▶︎Site
https://blog.naver.com/derby_1q84

プロデューサー / システムエンジニア
セトレン

日常とたまに非日常から見るリアルから見える世界観が彼の真骨頂。緩く見せかけて、しっかり野心家で近い将来と少し先の将来を見据え、それに沿ってちゃんと進めてるかの答え合わせが彼自身の活動と原動力。

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