「完成されていない美しさ」に惹かれた──大阪万博・フランスパビリオン
2025年、大阪・関西万博。
印象に残った「フランスパビリオン」
その中でも僕の心を掴んで離さなかったのが、「ファッション部門」の展示。
壁一面に、無数の白いドレスのミニチュア。
よく見ると、それはすべて「トワル」と呼ばれる、完成前の仮縫い状態の衣服でした。
まるで美術館に迷い込んだような静けさと緊張感のなかで、僕は立ち尽くしてしまった。
■ 未完成に宿る、意志のようなもの
トワルとは、服を作る前に形や構造を確認するための試作モデル。
布はシーチングのような粗めの素材で、飾りも装飾もない。だけど、驚くほどに「美しい」と感じたんです。
それは、“未完成”であるがゆえに、デザイナーの思考がむき出しになっているからかもしれません。
どこにどんなラインを引くのか。どこを膨らませて、どこを絞るのか。
シンプルな白の中に、確かな「意思」が感じられました。
僕は普段、自分の仕事や企画が「完成していない」ことに焦ったり、不安を感じたりすることがあるけれど、
この展示を見たとき、「完成していなくても、それはもう十分に価値があるんだ」と思えたんです。
■ ファッションは、構築物である
この空間全体から感じたのは、「ファッション=構築物」という視点。
服は感性やセンスで作られるもの、と思われがちだけど、
実際はロジックと試行錯誤の積み重ねでできている。
それって、どこか「人生」と似ているな、って思った。
感覚だけで突っ走ると、どこかで崩れてしまう。
だけど、設計図を描いて、仮縫いして、また直して、という地味なプロセスを丁寧に積み重ねた先にしか「芯のある美しさ」は生まれない。
■ 気づいたこと:未完成でも、今の自分は美しい
今回の展示を通して、僕が感じた最大の学びはこれでした。
「完成されていない」ことは、恥じゃない。
今の“仮の姿”にも、ちゃんと意味がある。
日々の中で、自分に自信が持てない時もあるし、
もっと完璧じゃなきゃ、と自分を追い込んでしまうこともある。
でも、たとえ途中でも、向かおうとしている姿そのものにこそ、美しさが宿る。
そんなふうに思えたことで、なんだか少し、気持ちが楽になった気がします。
【おわりに】
フランスパビリオンのファッション展示は、
単なる「デザインのすごさ」を見せるものではありませんでした。
むしろ、“目に見えない思考の美”を感じる体験だったように思います。
もしこれから大阪万博に足を運ぶ方がいたら、ぜひこの空間を、心で味わってみてください。
「今の自分の価値」を見つめ直す小さなきっかけになるかもしれません。
P.S
「ホンマですから、信じてください」
スタッフさんからのメッセージ
SNSで嘘つかれたって言われてるんですよー、と…
本当に30分で入れました
SNSに書いてと約束したので、アップします!(約束守ったところ見てくれるかな)
パッと見すごく(くねくね長蛇で)並んでるのですが、信じて並んでよかったです!
ありがとうございます!
日曜日、予約なしで並んで30分で入れました。
まだ行ってない方も2回目の方もぜひ…
服で世界平和はできるのか?──サプールという生き方に感銘を受けて
「銃よりも仕立てのいいスーツを。怒りよりも笑顔を。それが、僕たちの革命だ。」
この言葉に、心を撃ち抜かれた。
アフリカ・コンゴに生きる彼ら「サプール」の生き方は、どんな啓発本よりもリアルで、どんな平和活動よりも静かで強い。
サプールとは何者か?
SAPEUR(サプール)とは、コンゴで生まれた“お洒落な平和主義者たち”のこと。
彼らはスーツを身に纏い、街を優雅に歩く。争いを拒み、暴力に抗い、美しさで自分と社会を整える。
彼らにとって、ファッションは自己主張ではなく、尊厳そのものなのだ。
彼らの信念に驚かされた
内戦、貧困、政治の混乱。
そんな絶望の中でも、彼らは怒りや憎しみではなく、エレガンスとユーモアで生きる道を選んだ。
「暴力ではなく、優雅な所作でリーダーシップを取る」
「自分が美しくあることで、周囲も変わっていく」
「着ることで、心が変わる。心が変われば、世界も変わる」
そんな彼らの言葉に、なぜか涙が出そうになった。
本当に、服で平和は作れるのか?
「そんなの理想論だよ」と笑う人もいるかもしれない。
けれど、サプールの哲学はこう教えてくれる。
- 戦うのではなく、纏う
- 奪うのではなく、魅せる
- 支配するのではなく、尊重する
これって、今の時代にすごく必要な感覚じゃないだろうか?
私自身が問い直したこと
服は、メッセージだ。
誰に、どう在りたいかを伝える「言葉」だ。
「マトフの言葉(=自分なりの哲学)」を胸に、
今日も何を着て生きるかを選びながら、私は平和の一票を投じているのかもしれない。
終わりに:あなたは、何を“纏って”生きている?
- 見た目で人を判断する前に、見た目に心を込めてみよう。
- 自分の在り方に美しさを感じていたら、それはもう一つの平和活動かもしれない。
あなたが今日選ぶ一着が、誰かの心をやわらかくするかもしれない。
それが「服で世界平和」の、小さな始まり。