
編集思考の教養シリーズ Vol.2 / “問い”はデザインできる

── 情報ではなく、問いが未来を切り拓く時代へ
AIも、Googleも、SNSも、すべてが“答え”を提示してくれる。だからこそ、今、問われているのは「どんな問いを立てられるか」これに尽きる。
01|問いを“探す”から、“つくる”へ
情報社会では、誰でも“答え”を得られる。しかし、「何を問うか?」は、その人だけのクリエイティブだ。
- AIは“最適解”を出す。けれど「どんな問いを投げるか」までは決めてくれない。
- 質問力=編集力の起点。問いが変われば、見える世界も変わる。
編集者は、答えではなく視点をずらす問いを生み出す人。もっといえば問いを生み出し続ける人。
— 検索の時代の終焉
誰もが何でも調べられる時代に、「何を問うか」の精度が思考の格差を生み始めている。
検索力ではもう差がつかない。
“問う力”が知性の真価となる時代が、静かに始まっている。問いは、未来を開く鍵だ。
そして、その鍵は“デザイン”できる。

2:問いはセンスでつくれる
“Question Design”=思考のスタイリング
“問い”をデザインするとは、以下の3ステップを用意した。
① 抽象化する
「なぜこれが気になるのか?」を掘り下げろ。<br>ファクトではなく、モヤモヤから出発する。
② 視点を変える
“自分以外の誰か”になって問う。<br>子どもなら?AIなら?未来人なら?
③ 本質に触れる
問いの裏側には、たいてい「恐れ」か「願い」がある。そこを見極める。
編集者の問いは「編集後の世界」を仮定して投げられる。
例: どうすればバズる?
例: 人が“人とつながったと感じる瞬間”ってな
— あなたの問いが、あなたの哲学だ。
優れた編集者は、“答え”に飛びつかない。
彼らが執着するのは、「問いの質」。
問いには、その人の世界観、目的、価値観が宿る。たとえば──
- 「これは誰のための問いか?」
- 「今この問いを立てる意義は?」
- 「この問いは、次の問いを生むか?」
問いは、会話の起点であり、ビジネスの起点であり、人生の起点でもある。

03|優れた問いを“設計”する技術
— 問いは、センスではなくスキルである。
XANY.UNIVERSITYでは、問いを意図的にデザインする技術をこう定義する
STEP | 技術 | 解説 |
---|---|---|
1. 再定義する | 問題を“別の視点”で捉える | 問題の本質はそこか? |
2. 目的を置く | 問いの“方向性”を明確にする | 問うことで何を明らかにしたいか |
3. 文脈を読む | 問いの“背景”を整理する | 誰にとって、どんな価値を持つか |
4. 導線をつくる | 次の問いへつなげる | 問いは連鎖する設計で |
POINT:問いは“1回打ち切り”ではなく、シリーズで設計

04|編集者の問い、現場目線
— XANY.で立てられた“問い”のリアル
XANY.FOLK ゼロプレイス企画チームより
「“つくる”とは、誰と向き合うことか?」
── プロジェクト設計会議で立てられた、問いの原点XANY.MAGAZINE 制作チームより
「この記事で“誰”を変えたいのか?」
── 編集前の問いかけが記事の芯をつくった
XANY.UNIVERSITY 講座内ワークより
「それ、本当に“あなた”の問いですか?」
── AIでは生成できない“人間性のある問い”を掘り起こす演習

05|Q&A – スティーブが語る「問いの哲学」
Steve Shota Inatani|XANY. Founder / Chief Editor
Q. 問いを立てるとき、何を意識していますか?
「“解ける問い”より、“深まる問い”を立てること。正解を得るためじゃなく、“意味を探る”ことに問いの価値があると思ってる。」
Q. 若いメンバーに伝えていることは?
「質問力は、相手を尊重する力だってこと。問い方ひとつで、その人との未来が変わる。問いって、エモいんですよ。」

06|問いを“持つ人”になる
— 問いがある人は、いつでもスタート地点に立てる。
問いは、迷ったときの灯台であり、原動力でもある。
問いを持つ人間は、何度でもゼロに戻って、何度でも始められる。
情報を持つ者ではなく、問いを生む者こそが、次の時代を動かす。
編集的思考で、“自分だけの問い”を見つけにいこう。

つづく
第3弾も近日中にアップします。