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なぜ日本のメディアはAWS依存を語らないのか

はじめに
2025年10月20日、Amazon Web Services(AWS)で大規模な障害が発生した。
アメリカ東部の「us-east-1」リージョンが原因で、SnapchatやSlack、Fortnite、Venmoなど世界中の主要サービスが一時的に停止した。
そしてこの混乱は、東京を含むアジア圏にも波及。
SNSでは「日本のサイトも繋がらない」「ニュースアプリが重い」といった声が相次いだ。
しかし不思議なことに、日本のメディア各社は「自社がAWSを使っている」とはほとんど公表していない。
なぜ、これほどまでに“沈黙”が守られているのだろうか。

  1. セキュリティ上の沈黙 ― “どこにデータがあるか”を明かせない
    最大の理由は、セキュリティリスクである。
    どのクラウドサービスを使っているかを明らかにすることは、
    「どこを攻撃すれば効果的か」を示すようなもの。
    特に報道機関や金融、行政系メディアでは、
    データセンターの場所・構成・通信経路などを公開することが
    “攻撃の地図を配る”ことになりかねない。
    「沈黙こそ最大の防御」——この文化が根強く残っている。

  2. 外部依存を見せたくない ― ブランドイメージと“自立神話”
    日本のメディアは、「独立性」「中立性」「自社主導」を重んじる。
    その根底には「報道は公共財」という意識がある。
    ゆえに、AWSという米国巨大企業への依存を表に出すことは、
    「外部の技術に頼っている」という印象を与えかねない。
    報道機関としての「自社のプラットフォームで発信している」という信頼構築を守るために、
    AWSなどの“裏方の名前”を出さないのが常識になっている。


  3. NDA(守秘義務)という法的制約
    AWSを利用する企業は、ほぼ例外なく守秘義務契約(NDA)を結んでいる。
    この中には「利用形態・構成情報を外部に公表してはならない」という条項が含まれる。
    つまり、企業がAWSを利用していても、
    契約上「言えない」のだ。
    クラウド事業者が“裏方”である理由は、
    単に文化やポリシーだけでなく、法的制約にも支えられている。



  4. 公表=責任の所在を問われる
    障害発生時に「うちのシステムもAWS依存で止まりました」と言えば、
    ユーザーや株主からこう問われる。
    「なぜバックアップを取っていないのか?」
    「なぜ冗長化をしていないのか?」
    つまり、依存を明かすことは、リスク管理能力を問われることに直結する。
    日本では「責任文化」が強く、たとえ外部原因でも「なぜ止まったのか?」が企業に向く。
    だからこそ、障害時も「AWS障害で停止しました」とは言いにくい。


  5. “クラウド=裏方”という文化的背景



    AWSやGCP(Google Cloud)は、いわばインターネットの電力会社のような存在。
    使っていて当たり前、止まって初めて気づくインフラだ。
    メディア企業にとっての関心は「情報をどう届けるか」であり、
    その裏にある「サーバーがどこにあるか」は、読者に伝えるべきテーマではない。
    この“裏方文化”も、AWS依存が語られない理由の一つだ。




    まとめ:透明性と信頼のバランス

    AWS障害は、改めて「インターネットの脆さ」を見せた。
    世界中の企業・個人が、同じクラウドの“心臓”に依存している。


    日本のメディアも例外ではない。



    ただしそれを公表しないのは、隠蔽ではなく防衛。
    信頼を守るための沈黙でもある。
    しかし同時に、私たちは知っておくべきだ。



    ニュースを支えるのは、記者だけでなく、
    AWSのような見えないインフラの信頼性でもあるということを。

XANY.GEEKのナビゲーター / 俳優 / 建設業の社長
キョータ

学生時代はサッカー、就職せずに俳優の道へ(まだやってます)。家業でもあった仕事で起業して5期目を迎えて無事「建築業」取得して、人との繋がりとビジネスの歯車が嚙み合ってきました。大阪府高槻市で母親が美容師で自社の美容室運営をしてもらってます!https://beauty.hotpepper.jp/slnH000540300/ 口コミ満点は実は一度も口コミをお願いしたことがなくてリアルにご満足いただけてます。(母親の自慢)

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